- 名刺サイズに国際標準はありません。日本、台湾、欧州、北米はすべて異なります。
- 日本 91×55mm(4号)、台湾 90×54mm、欧州 85×55mm、北米 88.9×50.8mm。
- 差はミリ単位ですが、名刺入れが各国の寸法で作られているため実務上の影響があります。
- どの地域でも、文字は仕上がり線から 3mm 以上内側に収めます。
海外で名刺を交換すると、相手の名刺が自分の名刺入れに収まらないことがあります。これはデザインの問題ではなく、寸法がもともと共通ではないためです。
複数の市場で名刺を使う方、海外の印刷所にデータを送る方向けの寸法リファレンスです。
名刺サイズに国際標準はあるか
ありません。名刺の寸法は地域ごとの慣習であり、ISO などの国際規格ではありません。よく使われる四つの規格は縦横それぞれ最大 5mm ほど異なります。
地域別の寸法
- 日本:91×55mm(4号)
- 台湾・中国大陸:90×54mm
- 欧州:85×55mm(多くの国)
- 北米:3.5×2 インチ(88.9×50.8mm)
- オーストラリア・ニュージーランド:90×55mm
比率で見ると北米が例外的です。1.75:1 と横長で、日本の 1.65:1 とは印象がはっきり違います。同じデザインを単純に拡大縮小すると余白の配分が崩れるため、目標サイズで組み直すほうが確実です。
1mm の差がなぜ問題になるのか
名刺入れ、財布、ファイリング用のポケットが、その地域の寸法に合わせて作られているためです。1mm 小さい名刺は中で動き、1mm 大きい名刺は入りません。
日本では名刺交換が形式を伴う行為であり、専用の名刺入れに収めることが前提になっています。91×55mm 用の名刺入れに台湾の 90×54mm を入れると、収まりはしますが動きます。細部が見られる場面では、この程度の差でも視認されます。
逆の問題のほうが実害が大きく、日本の 91×55mm は 90×54mm 用のファイリングポケットに入らないことがあります。
塗り足しはどれだけ必要か
印刷所により異なりますが、日本では 3mm、台湾では 1mm が一般的な最小値です。入稿前に必ず個別に確認してください。
日本規格での入稿設定
- 仕上がりサイズ:91×55mm
- 塗り足し:各辺 3mm(印刷所により 2mm の場合あり)
- 安全領域:仕上がり線から 3mm 内側
- 解像度:画像は 300dpi 以上
- カラーモード:CMYK
背景や断ち落としの要素は塗り足し線まで伸ばします。文字とロゴは安全領域の内側に収めます。裁断には公差があるため、仕上がり線上に置いた要素はいずれ切れます。
最小の文字サイズはどれくらいか
本文は 7pt 以上、連絡先は 8pt 以上を推奨します。6pt を下回ると通常の室内照明では読み取れない方が多く、印刷しても機能しません。
用紙によっても変わります。非塗工紙やコットン紙はインキが繊維に沈むため線が太り、小さい文字は判読性が落ちます。テクスチャのある紙を使う場合は、塗工紙より 0.5 から 1pt 大きくします。
白抜き文字はさらに注意が必要です。濃い地色の上では細い線がインキで潰れるため、サイズを上げ、細いウェイトは避けます。
複数の市場向けに別々に刷るべきか
規格の異なる市場のお客様と定期的にお会いするなら、別版を作る価値があります。そうでなければ自国規格のままで問題ありません。寸法が多少違っても名刺としては機能します。
台湾と日本を行き来する企業に現実的なのは、日本向けを 91×55mm で日本語情報を載せて刷り、国内向けは 90×54mm のままにする方法です。デザインシステムは共通で、寸法と言語レイヤーだけを変えます。
二つの言語を一枚にどう収めるかは多言語アイデンティティの設計で扱っています。
縦型や変型はどうか
縦型名刺は同じ寸法を回転させたもので、別規格ではありません。正方形や角丸などの変型は可能ですが、費用、納期、収納性に影響します。
角丸は現実的な選択肢です。寸法は標準のままなので収納に支障がなく、手に取ったときの違いは明確です。抜き型が必要なため、少部数では割高になります。
正方形や大型の変型は収納の問題を生みます。相手がファイリングする習慣を持つ場合、他の名刺と分けられて紛失されやすくなります。形を変えずに差をつける方法は台湾の印刷事情で扱っています。
よくあるご質問
データを拡大縮小して各国サイズに流用できますか
推奨しません。拡大縮小は文字サイズも一緒に変えてしまい、比率の違いから余白の配分も崩れます。同じデザインシステムを使って目標サイズで組み直すほうが速く、結果も安定します。
名刺の厚さはどれくらいが適切ですか
一般的な用紙で 250 から 300g が実用的な範囲です。250g 未満は腰が弱く折れやすく、350g を超えると手触りは向上しますが標準的な名刺入れに収まりにくくなります。
QR コードに最小サイズはありますか
印刷で 15×15mm 程度、周囲に 2mm 以上の余白が必要です。URL が短いほどコードの模様が単純になり、小さくても読み取りやすくなります。画面上ではなく印刷物で必ず実測してください。
二言語はどちらの面に載せるべきですか
片面ずつ分けるほうが確実です。両言語がそれぞれ完全なレイアウトを持てるため、どちらも読みやすくなります。片面に詰め込むと両方が小さくなり、結果的にどちらも中途半端になります。
執筆者について
本リファレンスは台湾・台中の好心地文創が作成しました。ここに挙げた地域別寸法と入稿要件は、印刷案件の着手時に毎回確認している項目です。刷り直しの原因として最も多いのがこの部分だからです。