
硫黄火の記憶を拾い集めて:消えゆく台湾の伝統漁法「蹦火仔」を60分の没入体験展示に
蹦火仔(ホウフォアツァイ)は消滅の危機にある台湾・金山の百年漁法です。好心地文創は音響体験やモーションセンサーゲーム、食育ワークシートを組み合わせ、小学生が「聞いて」から「実際に魚を獲る」体験へと進む、約60分の没入型常設展に作り変えました。
課題
蹦火仔(硫黄火漁)は、台湾・金山の漁村に伝わる百年来の独自の漁法ですが、漁業の近代化とともに衰退が進み、若い世代や観光客にはほとんど知られていません。新北市金山区漁会は、無形文化資産の保存助成を受けて、この失われつつある記憶を、一般の来場者、特に小学生が理解し、思わず立ち止まりたくなるような展示コンテンツへと翻訳することを目指しました。単なる説明パネルの羅列で終わらせないことが課題でした。
目標
漁会が持つ既存スペースの中で、小学生を主な対象とした本格的な常設展を企画することが目標でした。来場者が約60分で4つのエリアを回りながら、点火の瞬間の「ドン!」という衝撃を体感し、蹦火仔の文化的背景とキビナゴの生態を理解し、具体的な体験の記憶を持ち帰れるようにすること。同時に、予算を1つの目玉となるインタラクティブ装置に集中させ、リソースが分散しないようにすることも重視しました。
アプローチ
- 序章の演出通路、知識の回廊、コアとなるインタラクティブ装置、食育・景品エリアという4つのエリアで構成される動線を計画。ヘッドホンによる音響体験(波音→エンジン音→「ドン!」という点火音)で最初の衝撃をつくり、その後パネルによる知識の紹介とモーションセンサーによる漁のゲームへとつなげました。
- 全4エリアを通して答えを探す『蹦火仔ジュニア博士』食育ワークシートを制作。子どもたちが自ら答えを探し、タスクを達成して景品と交換できる仕組みにすることで、一方的に見るだけの展示を能動的な探索体験に変えました。
- 固定造作ではなく吊り下げ式・可動式の設備を採用したモーションセンサー式インタラクティブゲーム『蹦火大豊収』を開発。予算をコントロールしながら、今後のレイアウト変更にも対応でき、漁会のスタッフ自身でメンテナンスできるようにしました。
- 展示文化顧問の卓清松氏へのインタビューをもとに内容を再確認し、原典資料や絵本と照らし合わせながら、乗組員の役職名や点火の手順、料理に関する描写などを項目ごとに修正し、展示内容の正確性を担保しました。
成果
本展示は2026年7月31日に施工・設置を完了しました。序章の演出通路のメインビジュアルパネル、知識の回廊のパネル、コアとなるインタラクティブ装置(モーションセンサー式漁のゲーム)、フォトスポットの壁面はすべて設置済みで、インタラクティブ装置の体験テストも完了しています。契約内の6項目(企画設計、CI・パネルビジュアル、パネル制作・印刷、展示シナリオ、会場電気工事、インタラクティブ装置のソフトウェア開発)はすべて仕様どおりに完了し、現場運用を補助する手持ちプレート6種も追加で提供しました。
- 年2026
- クライアント新北市金山区漁会(Jinshan Fishermen's Association)
- テーマ地方創生





